ProComputers社提供の Windows Server AMI を試してみた
マイクロソフトの公式サイトでは、Windows Serverのインストール用日本語版ISOイメージが配布されています。
Amazon EC2でも、コミュニティAMI(Amazon Machine Image)として、日本語版のISOイメージを利用したWindows Serverを使用することが可能です。
2024年9月時点で、コミュニティAMIとして公開されている以下2つのAMIの違いを確認する機会がありましたので、紹介いたします。
- ProComputers Windows_Server-2022-Japanese-Full-Base-2024.09.11
- Windows_Server-2022-Japanese-Full-Base-2024.09.11
AMIカタログ
EC2ダッシュボードのAMIカタログ、フィルタ条件として「Windows Server 2022 Japanese 2024.09 Base」で表示されたAMI情報を比較しました。
- | ProComputers Windows_Server-2022-Japanese-Full-Base-2024.09.11-63cc81fb-9c1f-4376-b114-19525304aa62 | Windows_Server-2022-Japanese-Full-Base-2024.09.11 |
---|---|---|
AMI:ID | ami-0c8ed7692071dcf14 | ami-0aa3165ff2581ca10 |
説明 | Windows Server 2022 Japanese Full Base Golden AMI Template (Windows Server 2022 Datacenter Edition) (Windows 2022 Datacenter Edition) (Windows Datacenter Edition) (Windows 2022 Japanese) (Windows Japanese) (Windows Full Base) | Microsoft Windows Server 2022 Full Locale Japanese AMI provided by Amazon |
OwnerAlias | aws-marketplace | amazon |
プラットフォーム | Windows | Windows |
アーキテクチャ | x86_64 | x86_64 |
所有者 | 679593333241 | 801119661308 |
発行日 | 2024-09-22 | 2024-09-11 |
-
「ProComputers Windows_Server-2022-Japanese-Full-Base-(略) は、OwnerAlias「aws-marketplace」、所有者「679593333241」、ProComputers 社がAWSマーケットプレイス経由で販売しているAMIでした。
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Windows_Server-2022-Japanese-Full-Base-2024.09.1 は、OwnerAlias「amazon」、所有者「801119661308」。Amazonが提供している 2024年9月時点で公開している AMIになります。
- Amazon提供のAMIの説明文はシンプル、完結な記述。フィルタ条件に「Datacenter」「Edition」「Golden」など、ProComputers の AMIのみに含まれる文字列を指定された場合、一覧表示されない可能性があります。
Windowsの仕様
EC2ダッシュボードで
- ProComputers Windows_Server-2022: ami-0c8ed7692071dcf14
- Windows_Server-2022-Japanese: ami-0aa3165ff2581ca10
のEC2インスタンスを起動。システムの「詳細情報」の確認を試みました。
Windowsの仕様、エディション、OSのビルド情報は両AMIで共通でした:
- エディション Windows Server 2022 Datacenter
- バージョン 21H2
- OS ビルド 20348.2700
ProComputers
Amazon
料金
汎用インスタンスファミリー「t3」と「m6i」のマーケットプレイス料金と、北米リージョンのEC2費用を確認しました。
ProComputers のAMIを利用した場合、 1 時間あたり $0.05 (t3.micro) 〜 $3.20 ( m6i.32xlarge) のマーケットプレイス課金が、EC2のオンデマンド料金とは別に発生します。
T3
ProComputers
Instance type | Product cost/hour | EC2 cost/hour | Total/hour |
---|---|---|---|
t3.micro | $0.05 | $0.02 | $0.07 |
t3.small | $0.05 | $0.04 | $0.09 |
t3.medium | $0.10 | $0.06 | $0.16 |
t3.large | $0.10 | $0.11 | $0.21 |
t3.xlarge | $0.20 | $0.24 | $0.44 |
t3.2xlarge | $0.40 | $0.48 | $0.88 |
Amazon
インスタンスタイプ | vCPU | メモリ (GiB) | オンデマンド Windows 料金 |
---|---|---|---|
t3.micro | 2 | 1 | 0.0196 USD 1 時間あたり |
t3.small | 2 | 2 | 0.0392 USD 1 時間あたり |
t3.medium | 2 | 4 | 0.06 USD 1 時間あたり |
t3.large | 2 | 8 | 0.1108 USD 1 時間あたり |
t3.xlarge | 4 | 16 | 0.24 USD 1 時間あたり |
t3.2xlarge | 8 | 32 | 0.48 USD 1 時間あたり |
M6i
ProComputers
Instance type | Product cost/hour | EC2 cost/hour | Total/hour |
---|---|---|---|
m6i.large | $0.10 | $0.19 | $0.29 |
m6i.xlarge | $0.20 | $0.38 | $0.58 |
m6i.2xlarge | $0.40 | $0.75 | $1.15 |
m6i.4xlarge | $0.80 | $1.50 | $2.30 |
m6i.8xlarge | $1.60 | $3.01 | $4.61 |
m6i.12xlarge | $2.40 | $4.51 | $6.91 |
m6i.16xlarge | $3.20 | $6.02 | $9.22 |
m6i.24xlarge | $3.20 | $9.02 | $12.22 |
m6i.32xlarge | $3.20 | $12.03 | $15.23 |
m6i.metal | $2.40 | $12.03 | $14.43 |
Amazon
インスタンスタイプ | vCPU | メモリ (GiB) | オンデマンド Windows 料金 |
---|---|---|---|
m6i.large | 2 | 8 | 0.188 USD 1 時間あたり |
m6i.xlarge | 4 | 16 | 0.376 USD 1 時間あたり |
m6i.2xlarge | 8 | 32 | 0.752 USD 1 時間あたり |
m6i.4xlarge | 16 | 64 | 1.504 USD 1 時間あたり |
m6i.8xlarge | 32 | 128 | 3.008 USD 1 時間あたり |
m6i.12xlarge | 48 | 192 | 4.512 USD 1 時間あたり |
m6i.16xlarge | 64 | 256 | 6.016 USD 1 時間あたり |
m6i.24xlarge | 96 | 384 | 9.024 USD 1 時間あたり |
m6i.32xlarge | 128 | 512 | 12.032 USD 1 時間あたり |
m6i.metal | 128 | 512 | 12.032 USD 1 時間あたり |
サポート
AWSインフラに関するサポートについては、AWSサポートを利用する事が可能ですが、
ProComputers の AMI に起因する問題は、ProComputers 社 が提供する サポートを利用する必要があります。
Vendor support
For support and maintenance issues related to all AMIs bundled by ProComputers.com, please visit https://www.procomputers.com/support.html . Please do not hesitate to contact us in case you notice any AMI related issues.
ビジネス以上のAWSサポートが利用できる場合、本番システムのダウンの場合、1時間以内の初回応答時間のSLOや、 Windows OSに関連する Amazon と Microsoft の間の拡張サポートについても制限が生じる可能性点にご注意ください。
ビジネスティアまたはエンタープライズティアで AWS Supportをご購入いただいたお客様が AWS で実行している Microsoft Windows Server、SQL Server、Windows デスクトップ (Amazon Workspaces 経由) に関して問題が発生した場合、AWS Supportは Microsoft サポートエンジニアと直接連携し、問題解決に努めます。この拡張サポート契約により、AWS は Microsoft と直接連携して可能な限り最良のサポートエクスペリエンスをお届けします。
- [AWS サポートプランを比較する(https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/plans/)
EBSのアタッチ制限
マーケットプレイスのAMIで起動したEC2インスタンス、OS領域のEBS(Elastic Block Store)ボリュームは、他のEC2インスタンスにマウントして利用することができない制限があります。
ProComputers の Windows Serverの AMIで起動した EC2、Cドライブに該当するEBSボリューム を スナップショットを利用して複製し、別のインスタンスにマウントを試みましたが、以下の警告案内が出てEBSアタッチは出来ませんでした。
OSの起動に失敗するトラブルが発生した場合、復旧手段に影響するリスクを抱えている点にご留意ください。
サブスクリプション
キャンセル
サブスクリプションは、AWSマーケットプレイスのダッシュボードでキャンセルが可能です。
サブスクリプションの回避
EC2インスタンスの起動に利用するIAM権限で、「aws-marketplace:Subscribe」アクションを「Deny」することで、意図しないサブスクリプションの有効化を防ぐことができます。
- 「aws-marketplace:Subscribe」を「Deny」したポリシー例
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Sid": "VisualEditor0",
"Effect": "Deny",
"Action": "aws-marketplace:Subscribe",
"Resource": "*"
}
]
}
- サブスクライブ失敗例
サブスクライブの禁止は、マーケットプレイス経由で提供される他のサービス、Amazon Bedrock の 基盤モデル の有効化などにも影響する可能性がある点にはご留意ください。
まとめ
Datacenter エディションのWindows ServerをEC2で起動する場合、サードパーティ提供のサポートを必要とするといった特別な理由がない限り、Amazonが提供するAMIを使用することをお勧めします。
AMIカタログを利用する際は、「OwnerAlias」が「amazon」であることを確認してください。
Amazon マシンイメージ(AMI)の管理画面では、フィルター条件に所有者のエイリアスを「amazon」と一致とする事で、Amazon提供のAMIのみ表示する事も可能です。
- パブリックイメージ
- 所有者のエイリアス: 「amazon」 と一致
- AMI名: 「Windows_Server-2022-Japanese」を含む
また、同梱のSQLサーバなどを含め 適切な Windows Server AMIを選択するためには、Amazon提供の AMI の命名ルールの把握や、AWS CLIや SSMパラメータストアの活用もご検討下さい。